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住まいづくりの視覚化ツール「3Dパース」の本質と活用法

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こんにちは、スタッフの北條です。

はじめに

住まいづくりにおいて、完成イメージを共有することは非常に重要です。その手段として長く活用されてきたのが「パース(透視図)」です。現在ではコンピューター技術の発展により3Dパースが一般化していますが、その本質と歴史、そして適切な活用法について考えてみましょう。

パースの起源と進化

パースとは本来、設計士が土地情報から方位、外構までを総合的に捉え、建物の形状や道からの見せ方、内外空間のつながりやこだわりを表現するために手書きで作成する透視図のことです。約30年前までは、設計士が色鉛筆やペンで色を塗り、影をつけて立体感を出し、照明の演出もすべて手書きで行っていました。

この手描きのプロセスには、設計者の意図や空間に対する理解が深く反映されていました。現在ではコンピューターによってフォトリアルなものから手書き風のものまで、様々なスタイルのパースを効率的に作成できるようになりましたが、パースの本質的な役割は変わっていません。

3D技術の発展と現状

現代では3D技術が一般化し、多くの住宅会社が営業ツールとして活用しています。大手では初回の打ち合わせで営業担当者が3Dウォークスルーを見せることも珍しくありません。これは顧客の興味を引き、契約につなげるための戦略的なアプローチです。

注文住宅は、施主の理想や要望を最大限に反映し、細部までこだわることができる住まいづくりが本質です。その実現のためには、法規制や生活動線を理解した上で、一人ひとりのライフスタイルに合った提案が不可欠です。住宅会社によってアプローチは異なりますが、施主の要望をきめ細かく形にするために丁寧な設計プロセスを大切にしている会社が多くあります。

住宅建設においては、提供するサービスの質と工事費用には密接な関係があります。低価格住宅を提供する会社は、受注数を増やすことでスケールメリットを活かし、営業や設計の作業時間を効率化することでコスト削減を図っています。一方、細部までこだわった設計を行う会社は、その分の時間と労力が工事コストに反映されます。これは単なる価格の差ではなく、提供される価値の違いとして捉えるべきでしょう。

また、同じような建物を多数手がけている会社は施工の経験が豊富なため、クオリティが安定しており、施工ミスや不具合の発生リスクも低減される傾向があります。住宅選びにおいては、コストだけでなく、このような品質面も重要な検討ポイントです。

パースで求めるべきもの

パースはあくまでも完成予想イメージであり、実際の建物と全く同じになるわけではありません。では、施主としてパースに何を求めるべきでしょうか。3D技術のプロとして、以下のポイントを重視することをお勧めします:

1. 外部空間のデザイン検討

外壁や屋根の色、素材の組み合わせや比率がどのように見えるかを確認できます。色や素材の微妙な違いが全体の印象を大きく左右するため、複数のパターンで比較検討することが有効です。

2. 敷地環境と光のシミュレーション

敷地内の時間帯による日影の変化や、周辺建物の影響を含めた日照条件をシミュレーションできます。これは敷地選びの段階でも有用な情報となります。ただし、このレベルのサービスは会社によって対応が異なり、無料で提供される範囲には限度があることを理解しておくべきです。敷地探しの段階で設計契約ができれば、より詳細な提案を受けられる可能性が高まります。

3. 室内空間のイメージ確認

室内の壁や床の色の組み合わせ、アクセントウォールの効果、家具配置と天井高のバランスなどを視覚的に確認できます。また、窓の位置や大きさによる採光シミュレーションも重要なポイントです。

特に照明計画においては、パースが非常に有効です。使用したい照明器具が天井高に適合するかどうか、ペンダント照明の取り付け位置が理想通りの効果を生み出すかどうかなど、実際に設置してからでは修正が難しい部分を事前に確認できます。例えば、ダイニングテーブル上のペンダント照明は、天井際に設置するとイメージと異なる印象になったり、低すぎると頭があたる危険性があります。このような細部へのこだわりがある場合は、ぜひパースに反映してもらうことをお勧めします。

3D技術の注意点

近年では3D技術が発展し、専用アプリやソフトウェアの操作性も向上したため、多くの会社が「パースを作成できます」と謳っています。しかし、技術的にパースが作れることと、住まいづくりにおいて有効なパースを作成できることには大きな差があります。

実際には、細部まで丁寧に描かれておらず、住まいづくりの判断に重要な要素が抜け落ちているパースも少なくありません。これは過去から現在に至るまで変わらない事実で、素人とプロの違いは明確に存在します。

最近ではAIを活用した画像生成も可能になっていますが、真に価値あるパースを作成するには、AIが描いた絵に対しても細かい調整を加えたり、「この部分をこう表現してほしい」といった専門的な指示ができる知識と経験が必要です。すべての住宅会社がこのレベルのサービスを提供しているわけではないことを、住まいづくりを検討される方には理解しておいていただきたいポイントです。

まとめ

3Dパースは単なる営業ツールではなく、設計プロセスにおける重要なコミュニケーション手段です。手描きの時代から脈々と続く「空間を視覚化する」という本質的な役割を理解した上で、適切に活用することが大切です。

パースに何を求めるかは、住まいづくりのどの段階にあるかによっても異なります。初期段階では全体的なイメージの共有に、詳細設計段階では具体的な素材や色の検討に活用するなど、目的に応じた活用法を設計者と相談しながら進めることをお勧めします。

ウェルビーホームでは、3Dパースを単なる見栄えの良い絵としてではなく、お客様との対話を深め、理想の住まいづくりを実現するためのツールとして大切に活用しています。時間をかけて丁寧に作り上げる住まいだからこそ、パースを通じて見える未来の暮らしを、一緒に考えていきましょう。